肝臓
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症例報告
肝血管腫疑いの病変が増大傾向を呈しFDG PETで異常集積を認め切除した肝血管肉腫の1例
安里 昌哉大田 守仁知念 澄志伊波 孝路辻村 一馬澤岻 安勝比嘉 国基嵩下 英次郎仲地 厚我喜屋 亮照屋 剛喜友名 正也
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2017 年 58 巻 2 号 p. 115-122

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抄録

症例は61歳の特に既往歴のない男性.2014年11月の健診の腹部超音波検査(US)で肝S6に14 mm大の低エコー腫瘤性病変を認めた.精査目的でCTおよびMRIを施行し画像所見から肝血管腫を疑い経過観察の方針となった.2015年10月,画像検査で腫瘤は80 mmと急速な増大傾向がみられ悪性が疑われた.FDG-PETを施行したところ腫瘤辺縁および内部の一部にFDGの異常集積を認めた.臨床経過,画像所見などから肝原発の血管原性悪性腫瘍と診断し2015年12月に肝拡大後区域切除術を施行した.病理組織診断で肝血管肉腫の診断であった.術後8カ月,無再発で外来にて経過観察中である.肝血管肉腫はまれな疾患でありPETが施行された報告例は検索し得た限りでは自験例を含め8例であった.今回我々はFDG-PETで異常集積を認めた肝血管肉腫の症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.

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© 2017 一般社団法人 日本肝臓学会
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