肝臓
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症例報告
バルプロ酸によるカルニチン欠乏症に続発した高アンモニア血症に対してカルニチン補充療法が著効した1例
能津 昌平道堯 浩二郎平岡 淳相引 利彦奥平 知成山子 泰加岩﨑 竜一朗富田 英臣壷内 栄治二宮 朋之
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2018 年 59 巻 8 号 p. 421-426

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抄録

症例は75歳男性.1958年にてんかんと診断されてバルプロ酸を含む抗てんかん薬開始.2011年にγ-GTP高値と高アンモニア血症を指摘.血液検査,腹部エコー,腹部造影CTで肝硬変を示唆する検査値や所見は認められなかった.カルニチンは著明な低値を示しており,バルプロ酸によるカルニチン欠乏症に続発した高アンモニア血症と診断した.レボカルニチン投与開始後,血中カルニチン濃度,血中アンモニア値,自覚症状の改善が認められた.バルプロ酸投与例では高アンモニア血症に留意するとともにカルニチンを測定してカルニチン補充療法の適応を判断すべきと考えられた.

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© 2018 一般社団法人 日本肝臓学会
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