肝臓
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総説
急性肝炎期自己免疫性肝炎の病理
原田 憲一
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2018 年 59 巻 9 号 p. 455-465

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抄録

急性肝炎様の臨床像を呈する自己免疫性肝炎(AIH)は,慢性肝炎AIHからの急性増悪の他,先行する肝障害を伴わない急性発症のAIH(急性肝炎期AIH)も存在する.特に急性肝炎期AIHは自己抗体,高γグロブリン血症等のAIHに特徴的な臨床像を欠いた症例も多く,未だ診断基準は策定されていない.急性肝炎期AIHの組織学的特徴として小葉中心性壊死(CN)がよく知られているが,同様な壊死は薬物性肝障害(DILI)でも見られる所見であり,両者の組織学的鑑別は通常困難である.本稿では,AIHに見られる種々の組織所見について概説し,急性肝炎期の組織所見,DILIとの組織学的異同について紹介する.

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© 2018 一般社団法人 日本肝臓学会
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