肝臓
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原著
E型肝炎届出基準検査法についての検討
石田 勢津子吉澄 志磨松林 圭二坂田 秀勝長野 秀樹
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2019 年 60 巻 1 号 p. 23-30

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抄録

E型肝炎の発生届は,PCR法による遺伝子の検出,IgM抗体もしくはIgA抗体の検出に基いている.届出の根拠となる検査方法の有用性を検討するため,確認された症例について遺伝子及び抗体の保有状況を調べた.届け出られた症例73検体について発症日からの経過日数と判定結果を検討したところ,発症後3週までは遺伝子検出が可能であった.IgM抗体及びIgA抗体は40日までと,より長期にわたって陽性となった.遺伝子型の判別の結果,有症状群では60例中41例が4型,無症状群では54例中2例が4型となり,その分布に偏りが認められた.無症状群では,遺伝子検査で陽性となった60症例のうち,抗体検査陽性例は14例にすぎなかった.これらの結果から,E型肝炎ウイルスの感染確認には,遺伝子検査と抗体検査の併用が望ましいと思われる.

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© 2019 一般社団法人 日本肝臓学会
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