肝臓
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症例報告
プレガバリンとセレコキシブ内服後に急性肝不全を来した一例
松村 真生子平野 拓己久場 弘子永村 良二小島 英吾
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2019 年 60 巻 9 号 p. 323-331

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抄録

63歳,女性.腰痛に対し近医にてプレガバリン25 mg/日,セレコキシブ200 mg/日の処方を受けた13日目より39度の発熱が出現し,17日目にAST 21169 IU/l,ALT 7549 IU/l,T-Bil2.7 mg/dl,PT 31.2%と著明な肝不全を来したため入院した.身体所見では体幹,下腿を中心に広範囲に発赤疹を認めた.ステロイドパルス療法,血漿交換,人工透析など集学的治療を行い救命し得た.高熱や皮疹などの臨床症状や,両薬剤がDLSTで陽性となったこと,ステロイドを漸減,中止しても再燃がみられなかったこと,DDW-J2004ワークショップ薬物性肝障害診断基準スコアが高値であったことなどを踏まえて薬物性急性肝不全と診断した.プレガバリン,セレコキシブは共に薬物性肝障害の頻度が高い薬ではないが,両薬剤とも汎用されており使用する際は注意が必要と考えられた.

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© 2019 一般社団法人 日本肝臓学会
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