2020 年 61 巻 7 号 p. 367-373
福井県内のウイルス肝炎患者診療状況を把握するために,県全医療機関を対象にアンケート調査を実施した.回答のあった270施設のC型肝炎ウイルス検査の年間件数は99,207件,HCV抗体陽性数は2525件(2.6%)であったが,肝臓専門医への紹介率は35.0%と低いことが判明した.病院区分別では,肝臓専門医在籍総合病院では44.0%,肝臓専門医不在一般病院では2.4%,一般開業医は32.0%であった.総合病院での肝臓専門医への紹介システムが確立されておらず,一般開業医の紹介の認知度が低いことも判明した.対策として,総合病院と一般開業医向けに分けて,肝炎ウイルス陽性者拾い上げセミナーを開催した.セミナー後,総合病院では,拾い上げシステムがほぼ確立され,一般開業医では,各地区医師会の新たなアンケート調査の実施などによる医師への情報発信が徹底的に行われている.ウイルス肝炎撲滅のためには,肝臓専門医療機関,行政,医師会の三位一体の取り組みが重要である.