肝臓
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原著
ジェノタイプ1型のC型慢性肝炎およびC型代償性肝硬変患者に対するオムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル配合錠の使用成績調査
持田 智佐久間 龍太中島 龍川縁 岳志泉 並木
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2021 年 62 巻 11 号 p. 690-702

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抄録

オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル配合錠はセログループ1(ジェノタイプ1)はC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善の効能・効果で承認された直接型抗ウイルス薬である.承認の際に,使用実態下における本剤の安全性および有効性を検討するために使用成績調査を実施した.安全性解析対象症例数2954例の中でIFNを含むHCV治療歴のある症例は21.2%,代償性肝硬変の症例は14.8%であった.副作用の発現が認められた症例は16.2%であった.主な副作用は2.0%に血中ビリルビン増加が,1.4%にそう痒症が認められた.重篤な副作用は2.3%で認められた.有効性主要評価項目である投与終了12週後のHCV-RNA陰性化率(SVR12)は97.9%であった.新たな懸念事項は認められず,添付文書に従った適正な使用がなされたうえで本剤の安全性と有効性が示唆された.

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© 2021 一般社団法人 日本肝臓学会
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