2022 年 63 巻 6 号 p. 286-292
症例は53歳,男性,アルコール性肝線維症.慢性腎不全のため維持透析を受けている.X-7年に,CTで左側腹腔内に11 mmの限局性血管拡張を指摘され,増大傾向を認めたためX年に紹介となった.CTならびに超音波では,脾腎短絡の一部が瘤状拡張(24 mm)を呈していた.そこでまず,左腎静脈を介してマイクロバルンカテーテルを脾腎短絡路へと選択的に挿入した.瘤近位側から尾側方向へ分枝する短絡路血流をゼルフォームと5%EOIによるGERTOでコントロールし,瘤に対してBRTOを行った.バルンカテーテルの一昼夜留置後に透析を行い,その翌日の超音波ドプラで瘤の完全塞栓を確認した.マイクロバルンカテーテルを用いたBRTOは,脾腎短絡路瘤に対して有用であった.しかし本血行異常の自然経過は明らかでなく,破裂のリスク因子についても不明である.今後の症例の蓄積によって,治療適応の判断や治療方針を明らかにすべきと考えられた.