肝臓
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原著
C型肝炎キャリア拾い上げにおいて,HCV抗体陽性者に対して残血清を用いたHCVコア抗原測定法併用の臨床的有用性
城下 智山下 裕騎宇佐美 陽子岩垂 隆諒奥村 太規若林 俊一小林 浩幸杉浦 亜弓木村 岳史梅村 武司
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2023 年 64 巻 12 号 p. 603-609

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抄録

HCV抗体検査受検者を対象とし,HCV抗体陽性者の残血清を用いてHCVコア抗原を測定し,受診勧奨を行うことの有用性を前向き非介入観察研究で検討した.HCV抗体陽性率は4.4%(390/8,805例)であった.また,HCVコア抗原陽性率は8.2%(31/378例)であり,HCV抗体価10以上群(n=249)では10未満群(n=129)より高かった(11.6% vs. 1.6%,P=0.002).31例中29例で受診勧奨を行った.1例はHCV-RNAの陰性が確認された.残りの28例はウイルス血症が確認され,9例(32.1%)ではDAA治療が予定された.13例(46.4%)ではHCC合併等のためDAA治療の適応がなく,6例(21.4%)ではDAA治療の希望がなかった.HCV抗体陽性者にHCVコア抗原測定法を併用することには,HCVキャリア例の拾い上げと,受診・受療における有用性が期待される.

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© 2023 一般社団法人 日本肝臓学会
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