肝臓
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症例報告
アルコール依存症の診断と治療に関するeラーニング研修を受講した管理栄養士の介入がアルコール性肝硬変患者の飲酒量低減と栄養状態改善に有効であった一例
佐々木 麻友長崎 太
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2023 年 64 巻 12 号 p. 610-617

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抄録

症例は30代女性.アルコール性肝硬変で外来に通院し,分岐鎖アミノ酸製剤を含む内服薬加療,禁酒とアルコール依存症の専門医療機関受診の指導を受けていたが,専門医療機関未受診で多量飲酒を継続し,アドヒアランス不良であった.初診から2年後,貧血と脱水,低栄養の進行,CTで脂肪肝と腹水貯留を認め入院.内科的治療と並行して,日本肝臓学会のアルコール依存症の診断と治療に関するeラーニング研修を受講した管理栄養士が,肝臓専門医の指導の下,入院中から退院後まで継続的に肝硬変の栄養療法ならびに禁酒・飲酒量低減について介入し,飲酒量低減,栄養状態と肝予備能改善が得られた.本eラーニング研修を受講した管理栄養士による介入は,アルコール性肝硬変患者の集学的治療に有効であることが示唆された.

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© 2023 一般社団法人 日本肝臓学会
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