肝臓
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原著
直接型抗ウイルス薬治療時代のC型肝炎患者の院外拾い上げ
荒木 眞裕
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2024 年 65 巻 5 号 p. 214-222

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抄録

2014年C型肝炎の直接型抗ウイルス薬治療が開始され慢性肝疾患の長期予後の改善に寄与している.高い有効性と安全性から一人でも多くの患者に治療導入することを目的に,未対応の2014年1月から2018年9月までのHCV抗体陽性者への対応を行うことにした.対象患者は1,180人.HCV核酸定量検査陰性者・死亡・HCV抗体価4.0未満を除いた344人のうち240人を医療機関に問い合わせし,通院が確認できた63人についてHCV抗体陽性者であることを通知し対応を依頼し,77人の死亡を確認した.医療機関への通院が確認できない患者204人のうち,担癌患者や超高齢者などを除いた149人の自宅に案内状を郵送し9人が受診予約した.院内患者に比べ院外の特定患者の拾い上げは少数にとどまっている.今回の取り組みにより当院のマイクロエリミネーションの達成および訴訟リスクの低減に寄与できると考えた.

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© 2024 一般社団法人 日本肝臓学会
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