門脈圧亢進症(PH)合併肝細胞癌(HCC)に対するAtezolizumab/Bevacizumab(Atezo/Bev)療法が食道胃静脈瘤(EGV)に与える影響を検討した.Atezo/Bev療法を受けた79例中,PH群39例ではEGV増悪が25.6%,破裂が5.1%に認められ,Non-PH群に比して高率であった.PH群の全生存期間中央値は378日で,Non-PH群より短い傾向を示したが,有意差はなく,PHがEGV増悪の危険因子であった.EGV破裂症例はいずれも門脈腫瘍栓を合併しており,予防的処置やEGVの程度に関わらず,早期に破裂を来した.Atezo/Bev療法はPH合併例においても有用な治療選択肢となり得るが,EGV破裂は致死的合併症であり,門脈腫瘍栓を伴う症例では内視鏡的管理の強化に加え,腫瘍栓の局所制御を目的とした他治療との組み合わせも検討すべきである.