肝臓
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症例報告
妊娠26週で帝王切開を施行した肝硬変合併妊娠の1例
鈴木 貴也今井 則博佐原 和規水野 史崇松田 宜賢山本 崇文横山 晋也山本 健太伊藤 隆徳石津 洋二本多 隆石川 哲也川嶋 啓揮
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2025 年 66 巻 12 号 p. 518-525

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抄録

症例は40代女性.30代の初回妊娠時に肝硬変を指摘され,妊娠30週で帝王切開術を施行された.今回体外受精で妊娠後,下腿浮腫の増悪を認め妊娠20週で当院を受診した.妊娠前と比較し体重は15 kg増加を認め妊娠24週より入院.アルブミン製剤と利尿薬による体液調整を行ったが,妊娠25週で体重は妊娠前より31 kg増加し,総ビリルビン値3.9 mg/dL,PT活性値40%と悪化を認めたため妊娠継続は母体の肝不全リスクが高いと考え,血漿交換を3回施行した後に妊娠26週6日で帝王切開術を施行した.胎児娩出後は肝予備能の改善,体重減少を認め退院した.胎児は1,045 gで娩出,NICUにて加療を行い退院した.肝硬変合併妊娠では食道胃静脈瘤,体液過剰の治療が重要となる.特に妊娠前MELDスコアが10以上の症例においては母体および胎児の合併症リスクが高いと報告されている.

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© 2025 一般社団法人 日本肝臓学会
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