肝臓
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肝疾患におけるラジオイムノアッセイ(固相法と2抗体法)によるAu抗原の検出
各務 伸一伊藤 庄三奥山 澄彦稲田 晴吉田子 勝彦
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1974 年 15 巻 7 号 p. 427-432

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抄録

RIAはAu抗原の検出法として,感度,特異性に優れた方法であると報告されている.われわれは固相法と2抗体法によるRIAとHI法を用い,これらの点に検討を加え,次の結論を得た.なお,Au抗体の検出はPHA法によった.1) 2抗体法は固相法の2~4倍,HIの10~20倍の感度を認めた.2) 肝疾患患者を対象とした成績は,固相法のみ陽性またはHIのみ陰性の検体を認めたが,2抗体法のみ陽性の例はなかった.3) 2抗体法は131Iを使用しているために,精製Au抗原に標識するさいに抗原にdamageが起こることが予想され,ロットにより感度の違いを生ずると推察された.4) 2抗体法ではAu抗体が被検血清中に存在するときには24%に偽陽性を認めたが,抗体価よりその特異性に影響される可能性が示唆された.5) Ausriaによる固相法はモルモットグロブリンに対する抗体を持つヒトでは非特異的陽性を示すが,われわれはこれを有する例を認めなかった.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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