グ鞘において胆管と動脈が伴走しているという事実に基き,動脈を基準とした肝内胆管系検索のための組織計測法を呈示した.この方法により,PBCの消失胆管のレベルとその程度を検索した.その結果,PBC(23例)では本来約70~80μ以下の胆管からその消失がみられ,小型の胆管ほど消失の著しいことが示唆された.また,PBC I期では他の病期に較べ,胆管消失の程度が軽度であったが,II期以降では胆管消失は進行しないだろうと思われた.
PBCにみられる著しい胆管消失(とくに小型胆管)が,PBCにみられる慢性肝内胆汁うっ滞ならびにPBCの慢性・致死的経過に重要な役割を担っていることを述べた.