抄録
1978年2月下旬から3月上旬にかけて,岐阜県安八郡神戸町のG中学校でA型肝炎が集団発生した.認定患者106名(生徒102名,教師1名,患者家族同居者・住民3名)に達した.本流行では肝炎発生初期より検診による患者の早期発見と衛生教育の徹底に努め,第2・第3次感染者も少なく終息に導くことが出来た.今回抗HA抗体を測定したが,肝機能検査の結果認定患者とされた生徒のうち4名は抗HA抗体の陽性化がみられず,肝炎感染者ではなかった.認定患者以外に7名の抗HA抗体陽性生徒がおり,抗HA抗体の経過より今回の流行の感染者であった.うち6名はGOT, GPTの上昇がみられた.したがってA型肝炎流行時GOT, GPTを検索することにより,大部分の感染者を発見することが可能であると思われる.本流行のA型肝炎感染者はG中学校で105名に達し,全生徒の16.5%を占めた.同校の生徒,患者家族,同町住民の抗HA抗体保有率は岐阜市近辺と大差なかった.