肝臓
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C1q binding testによる肝疾患患者血中免疫複合体の測定とその病因的意義
福田 善弘足立 正彦佐野 万瑳寿井村 裕夫伊藤 憲一
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1980 年 21 巻 7 号 p. 816-822

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抄録
C1q binding testを用いて計178例の肝疾患において血中免疫複合体(IC)を測定し病因的意義を検討した.ICは無症候性HBキャリアー14.3%,急性肝炎31.6%,慢性肝炎37.1%,肝硬変症65.9%に検出された.一方PBC,ルポイド肝炎では夫々76.5%,85.7%,と極めて高率に陽性であった.血中γ-globulinが2.0g/dl以上を示す慢性活動性肝炎では81.8%とルポイド肝炎にほぼ匹敵する高い陽性率を示した.これらすべての症例の中IC高値例では腎障害,関節痛等の症状をみるものが多かった.またIC値は198Au-Colloidのclearanceの低下とよく相関し肝網内系の機能低下,シャントの増大と相関する傾向が認められた.以上の成績から肝疾患における血中ICの出現には自己免疫的機序の介在に加えて門脈・大循環系間の短絡形成,肝網内系の機能低下という肝疾患特有の機序が関与し,ひいては腎障害,関節痛等ICに基く症状を惹起するものと推測された.
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© 社団法人 日本肝臓学会
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