肝臓
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トンガ王国住民におけるA型およびB型肝炎マーカー
飯野 四郎横野 靖鈴木 宏織田 敏次倉井 清彦
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1981 年 22 巻 11 号 p. 1514-1517

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抄録

“南太平洋地区老化防止に関する総合調査”の一環として,トンガ王国主都ヌクアロハに15年以上居住する30歳以上の149名を抽出し,その血清につきA型肝炎およびB型肝炎ウイルス(HAVおよびHBV)マーカーを測定した.
HAVについてはHA抗体を測定し,95.3%という高率にHA抗体を検出した.
HBVについては,HBs抗原は6.7%に検出され,検査した8例はいずれもadrであった.10名中3例にHBe抗原,6名にHBe抗体が検出された.10例中1例に肝障害が認められた.HBs抗体は72.5%に,HBc抗体は77.9%に認められ,HBVのいずれかのマーカーが検出されたものは90.6%であった.
以上から,トンガ王国住民はHAV, HBVのいずれにも高率に汚染されていることがわかった.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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