肝臓
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清水市興津・小島地域に流行した非A非B型
肝炎の臨床的検討
山内 眞義鬼沢 信明藤沢 洌亀田 治男石沢 和敬出浦 正倫岩崎 仁佐藤 泰雄河村 博藤松 順一志方 俊夫
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1981 年 22 巻 12 号 p. 1678-1684

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抄録

1980年5月をピークとして,清水市興津・小島地域に流行した急性肝炎82例について,その臨床経過につき検討し,同時に血清学的に型診断を行った.82例は非A非B型肝炎と診断され,本邦初の非A非B型肝炎の地域流行であることが確認された.臨床検査成績では,T. Bil 2.0mg/dl以下が38.3%を占め,GOT, GPTも1,000単位前後を示した.AI-P, LAP, γ-GTPも中等度の上昇を認め,TTT,免疫グロブリン
は正常範囲内であった.6ヵ月以上を経過した49症例のうちトランスアミナーゼ異常が持続した症例は28例(57.1%)と高頻度であり,多峰性を示したものはすべて遷延した.非A非B型剖検肝ホモジネートに対する抗体(anti-AN 6520)について検討すると12例中8例(66.7%)に抗体価の漸増を認め,本抗原の関与が示唆された.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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