1982 年 23 巻 1 号 p. 1-8
Wistar系雄ラットを用い,エタノール投与時における,肝のアルブミン合成能の変動をin vitroで検討した.血清アルブミン濃度は,急性エタノール群及び慢性エタノール群ともに対照に比較して,変動は見られなかった.14C-leucineによるアルブミン放射能は,急性エタノール投与では低下し,慢性エタノール投与では上昇した.急性及び慢性エタノール投与におけるアルブミン放射能の変動は,主としてプロアルブミン放射能の変動によるものであった.しかし両群においてプロアルブミンよりアルブミンへの転換及びアルブミンの肝からの分泌は阻害されなかった.アルブミン放射能は,血清コリンエステラーゼと相関関係がみとめられた.