肝臓
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臓器反射スペクトル解析による肝病変の機能診断
慢性肝疾患肝局所in vivo酸素消費に関する検討
林 紀夫佐藤 信紘斉藤 光則岸田 隆笠原 彰紀目連 晴哉吉原 治正房 本英之鎌田 武信阿部 裕
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1982 年 23 巻 7 号 p. 769-773

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抄録

腹腔鏡施行時に慢性肝疾患患者の肝局所in vivo酸素消費量を反射スペクトル分析法で測定するとともに,各種肝機能および生検肝組織のin vitro酸素消費との関係について検討を行なった.
慢性肝疾患ではスペクトルより計測された肝血流の減少に伴なって肝局所酸素消費量は減少した.また,肝局所酸素消費量は血清アルブミン値との間には正の相関関係,ICG 15分停滞率との間には負の相関関係が認められた.
肝局所in vivo酸素消費量とin vitro酸素消費量の間には相関関係を認めず,in vivo酸素消費量の低下は,肝細胞自身の呼吸活性の低下によるよりは,主として肝血流量の低下による酸素供給低下の結果,二次的に引き起こされたものと考えられた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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