食道静脈瘤合併肝硬変症18例に門脈カテーテル法を用いて,末梢静脈から20% L-arginine 40ml/5分負荷時の門脈血および末梢血中,血糖,インスリン(IRI),膵グルカゴン(IRG)を測定した.肝硬変症では病期によりバラツキがみられるが,全体として膵α細胞の機能亢進,膵β細胞の機能低下が認められ,従来よりみられる末梢血の高IRI,高IRG血症は肝でのdegradationの低下によると推測した.また門脈血中膵内分泌動態は,末梢血に比較して,portal systemic shuntや肝におけるホルモンのdegradationの影響を無視でき,より肝の病態を反映している可能性を示唆した.