基質調整にbicine bufferを用いるヒト肝guanase (GU)のより優れた組織化学的証明法を考案した.本法を用い,正常,原発性胆汁性肝硬変およびアルコール性肝硬変例の肝におけるGU活性の分布について検討した.GU活性は肝細胞に特異的に認められ,類洞側および門脈域周辺の肝細胞により強い活性が認められた.門脈域の構成成分である胆管,血管および線維,浸潤細胞にはGU活性は認められず,また肝細胞核にもほとんどGU活性は認められなかった.
本法は,従来の方法よりも優れたGUの組織化学的証明法であり,肝細胞の詳細な観察が可能である.本法は,比較的新鮮な剖検材料でも良好な成績を得ることが出来るため,今後,この方面の研究に有用であると思われる.