1985 年 26 巻 2 号 p. 254-262
1980年1月1日から1981年12月31日までの2年間の本邦における原発性肝癌4,658例について,584施設の協力によって,個人票を作成して調査した.このうち,2,286例は組織型が明らかで,肝細胞癌2,038例,胆管細胞癌146例,混合型33例,肝芽腫30例,肉腫6例,その他の原発性肝癌33例となっている.他の2,372例は組織型不明であった.以上の症例について,腫瘍の組織型,併存病変の有無,転移様式,腫瘍の性状,周囲組織への浸潤程度,既往歴,初発症状および診断時のAFP値,画像診断所見などを調査すると共に治療と予後について検討した.