1986 年 27 巻 1 号 p. 59-63
バモ酸ヒドロキシジンおよび肝水解物製剤(プロヘパール)によると推測される薬物アレルギー性肝炎の症例を観察中,血清中に抗肝細胞膜抗体が出現したことが,antibodydependent cell-mediated cytotoxicity (ADCC)テストによって認められた.この症例は,起因薬物の投与を中止した後も肝障害が続き,臨床経過が遷延した.また,肝機能障害は抗肝細胞膜抗体の出現と平行したので,本症例の肝細胞障害には肝細胞膜に対する抗体が密接に関与していると推測された.