肝臓
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B型慢性肝炎でのインターフェロン療法時の血清中2'-5'oligoadenylate synthetase活性測定の臨床的意義
進藤 道子奥野 忠雄松本 昌之武田 誠阿部 芳道瀧野 辰郎宗川 吉汪宗川 惇子
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1987 年 28 巻 6 号 p. 675-680

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抄録

インターフェロン(IFN)療法を行ったB型慢性肝炎10例を対象に,血清中およびリンパ球中の2'-5'oligpadenylate synthetase (2-5AS)活性を測定し,両者の相関性を探ると同時に,2-5AS活性測定の臨床的意義につき検討した.IFN投与は10例中6例に4週間連続投与を,4例に短期間歌投与(1週間投薬後1週間休薬を4クール反復)を行った.血清中およびリンパ球中2-5AS活性は,IFN投与に敏感に反応し,かつ2-5AS活性とDNA-P値とは逆相関関係を示し,2-5AS活性がIFNの抗ウイルス作用の鋭敏なマーカーとなることが明らかとなった.また血清中およびリンパ球中の2-5AS活性は相関係数r=0.732ときわめて良い相関性を示した.従って血清中2-5AS活性は,従来のリンパ球中2-5AS活性に代わりうるものであり,かつ測定操作の簡便性等より,今後IFN療法のモニターとして広く臨床応用されることが期待される.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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