1988 年 29 巻 12 号 p. 1619-1626
1984年1月1日から1985年12月31日までの2年間の本邦における原発性肝癌7,320例について,507施設の協力によって個人票を作成して調査した.解析の対象は,組織診断の確定した2,514例であり,腫瘍の組織型,年齢分布,病理学的特徴,進展様式,転移様式,併存肝病変,既往歴,診断的特徴,治療と予後等について集計を行なった.さらに今回は,肝細胞癌の切除症例について,治癒切除,非治癒切除の長期生存率,及び腫瘍の進展度を表現する因子と予後との関係についても解析を行なった.