肝臓
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某事業所でのHBs抗原持続陽性者の自然経過の検討
島 俊英瀬戸 良文阪本 善邦中島 年和中嶋 俊彰奥野 忠雄瀧野 辰郎小谷 睦美
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キーワード: 自然経過, HBe抗原・抗体
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1988 年 29 巻 3 号 p. 294-300

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抄録

某事業所従業員84,456人を対象に肝疾患検診を行いHBVキャリアの自然経過による予後調査を行った.その結果,HBVキャリア率は1.17% (986人)と従来の報告よりも低率であった.このうち157人(15.9%)にGPT異常を認めた.GPT異常者は男性や若年のHBVキャリアに高率に認められた.約6年間定期的にHBe抗原抗体の推移を観察できた808人のHBVキャリアのうち,初回検査時にHBe抗原陽性者は280人,陰性者は528人であった.HBe抗原陽性者のうち観察期間中にHBe抗原が消失(SN)した者は39人,HBe抗体へseroconversionした者は20人であった.また,全例でGPT異常がSNないしSC前に認められたが,HBe抗原消失後にば高率にGPTが正常化した.HBe抗原陰性者のうちHBe抗体持続陽性者は458人(86.7%)であり,その大多数でGPTは正常であったが25人(6%)にGPTの持続異常を認めた.そのうち11人は脂肪肝が,1人は輸血後肝炎が原因と考えられたが,他の13人はHBVと関連したGPT異常と考えられた.

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