1988 年 29 巻 3 号 p. 353-357
single photon emission computed tomography (SPECT)による肝・脾容積および99mTc Sn Colloidの肝・脾集積率測定法について基礎的に検討し,これを肝硬変患者に応用した.
SPECTとX線CTによる肝・脾容積はr=0.938とよく相関し,またSPECTと全身シンチによる肝・脾集積率はよく一致した.肝硬変症の肝・脾容積についてみると,Child B, C群で肝は縮小し脾は増大しており,臨床所見と一致した.肝集積率は硬変の進行につれ低下をみたが,単位容積あたりではChild B, C群で低下をみた.脾集積率はChild B, C群で増加していたが,単位容積あたりでみると対照,Child A, Child B, C群間に有意差はなかった.
SPECTは容積と集積率を同時にしかも三次元的に測定でき,肝・脾機能評価法として有用と考えられた.