1990 年 31 巻 9 号 p. 1105-1109
Diethylstilbestrolで長期間治療された前立腺癌症例の剖検時に偶然発見されたPeliosis hepatisのホルマリン固定後超音波断層像とその直接的病理組織学的対応を行なった.
Peliosis hepatisの超音波断層像は,全体としては不均一で等から低エコーなecho textureを示し,肝血管腫に一般的な高エコーな画像ではなかった.肝血管腫と組織構築がよく似ているPeliosis hepatisが高エコーに描出されなかった要因として,小血液貯溜腔の内面に内皮細胞の被覆が無くsinusoidと直接連続している事,各小血液貯溜腔を隔てるのは,線維性間質ではなく正常肝実質である事が考えられた.