1993 年 34 巻 10 号 p. 805-813
全国562施設の協力により,1988年1月1日より1989年12月31日までの2年間に本邦における原発性肝癌10,700例が日本肝癌研究会に登録された.臨床診断による組織型別内訳は,肝細胞癌10,082例,胆管細胞癌345例,混合型31例,肝芽腫30例,肉腫7例,嚢胞腺癌9例であった.本報告においては,これら症例を177項目におよぶ診断,治療,臨床病理学的事項等について解析し,その主たる点について述べた.さらに第5回(1978~1979年)以降の肝細胞癌と胆管細胞癌の切除症例,及び肝動脈塞栓療法を受けた症例の累積生存率を算出した.