肝臓
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原発性肝細胞癌に対する経カテーテル治療の適応と選択に関する研究
多変量解析による生存期間に関わる因子及びその予後の検討
高田 恵二
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1994 年 35 巻 7 号 p. 496-509

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抄録

経カテーテル治療が施行された肝細胞癌患者1,319例についていかなる所見が治療後の予後推定に有用であるかを多変量解析を用い検討した.早期死亡に関与する因子の検討のため対象を3カ月未満死亡群と3カ月以上生存群に分け,群別に有用な項目を多重ロジスティック・モデルにて検討すると,有意なt値(t2≧4)を示したものは門脈腫瘍栓の程度,腫瘍占拠率,腹水の有無,T-Bil値,TAEの選択であった.長期生存に寄与する因子の検討のため早期死亡例を除き対象を2年未満死亡群と2年以上生存群に分け,多重ロジスティック・モデルにて検討すると,有意なt値を示したものは門脈腫瘍栓の程度,腫瘍占拠率,腹水の有無,T-Bil値,TAEの選択であった.以上の結果よりTAEは予後改善に寄与するが上記条件を複数個有する症例ではTAE施行の是非を熟慮する必要があると考えられた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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