肝臓
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肝切除後,PEIT後に腺癌の増殖を認めた2剖検例
谷口 正彦吉川 澄橋本 創山口 時雄道清 勉森口 聡上田 秀樹竹谷 哲川野 潔辻村 俊
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1994 年 35 巻 8 号 p. 623-628

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抄録

肝細胞癌切除後の再発に対してPEITを施行した2症例に腺癌の増殖を認めた.症例1は78歳,男性.肝細胞癌術後に再発を認め,PEITが施行されだ.剖検にて肝前下区域に細胆管細胞癌の増殖を認めた.症例2は49歳,男性.肝切除後,肝後上区域に肝細胞癌の再発を認め,PEITが施行された.剖検にて肝細胞癌と共に腺癌細胞の増殖を認めた.症例1は肝細胞癌と共に細胆管細胞癌の併存が認められ,極めてまれな重複形態を示した.症例2では著明な腺癌細胞の増殖を認め,いわゆる混合型肝癌,mixed typeの組織像を呈していた.混合型肝癌はまれな症例であり,不明な部分も多いが,本2症例は混合型肝癌の発生,増殖形態の解明のみならず肝切除術,PEIT施行後の肝細胞癌の再発,進展につき示唆に富む症例であると考えられた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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