肝臓
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チオアセトアミド負荷急性肝不全マウスにおける脳内アセチルコリン,モノアミン代謝
岩井 正勝盛合 理鈴木 一幸
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1995 年 36 巻 4 号 p. 199-207

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抄録

チオアセトアミド負荷(100mg/kg経口負荷)による急性肝不全マウスの脳内アセチルコリン濃度とモノアミン濃度とを電気化学検出器・高速液体クロマトグラフィーで測定し,脳各部位における動態とアンモニア(2.5mmol/kg腹腔内投与)の影響について検討した.正常マウスの脳内神経伝達物質濃度は部位により濃度差があり,ノルエピネフリン,セロトニンは視床下部で,ドパミンとアセチルコリンは線条体で最も高濃度であった.急性肝不全マウスでは脳内のコリン,アセチルコリンは有意に減少し,アセチルコリン代謝は代謝低下状態にあり,一方,モノアミン系代謝産物は有意に増加し,モノアミンは代謝亢進状態にあることが推定された.アセチルコリン代謝と肝性脳症ならびにアンモニア代謝との関連性についてはさらに検討が必要と考えられる.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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