肝臓
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温水浸漬前処置による肝障害軽減効果-肝heat shock protein 72との関連において
草野 智之佐藤 勤細井 則人安藤 秀明安井 應紀黒川 敏昭南條 博浅沼 義博小山 研二
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キーワード: ミトコンドリア
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1999 年 40 巻 1 号 p. 20-28

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抄録
肝手術後の肝障害を軽減させる手段としてのpreconditioningの可能性を探るため, ラットに持続時間・回数の異なる温熱ストレスを負荷し, それ自体の傷害性とheat shock protein (HSP) の誘導状況を検索し, さらに, これらの前処置によるthioacetamide (TAA) 投与後の肝障害の軽減効果をHSPとの関連において検討した. 43℃15分の温水浸漬後に15分または30分の温水浸漬を加えると肝HSP72がより多く誘導され, 特に可溶性画分よりも非可溶性画分に著しく誘導された. TAA投与後のGOT, mitochondrial GOT値は各前処置群で対照群より有意に低く, 特にHSP誘導の最も著明な15分浸漬24時間後に30分の温水浸漬を行った群でその障害軽減効果が大きかった. この群では, 正常肝組織残存率, 肝1g当たりのミトコンドリア蛋白量およびATP生成能も有意に良好であり, HSP誘導による細胞保護効果にともない肝全体のミトコンドリア機能が保持され, 障害が少ないものと考えられた.
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© 社団法人 日本肝臓学会
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