肝臓
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急性肝炎重症型に対するインターフェロン, ステロイドパルス療法が著効を示した3症例
建石 良介寶田 潤子前田 修田川 一海鵜沼 直雄
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1999 年 40 巻 3 号 p. 141-145

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抄録

急性肝炎重症型3症例にインターフェロン, ステロイドパルス療法を行い著効を示した. 著者らは経過とともに変動するプロトロンビン (PT) 値に特に注目し, その悪化をみた場合, 劇症化を待たずに早期に同療法に踏み切った. 第1例は49歳, 女性. PT30.4%, GOT9009U/l, T. Bil7.1mg/dlを示し, 入院3日目PT23.4%と低値を持続したため同療法を行い, 投与4日目にPT73.5%と正常化した. B型肝炎であった. 第2例は50歳, 女性. PT45.5%, GOT2321U/l, T. Bil5.2mg/dlを示し, 入院2日目PT33.1%と低下をみたため, 同療法に踏み切り, 投与4日目にPTは79.2%と上昇した. A型肝炎であった. 第3例は59歳, 男性. GOT2127U/l, T. Bil3.2mg/dl/, PTは89.8%と正常であったが, 入院2日目にはPT51.6%と低下した. 同療法により投与2日後にPT96.9%と改善した. A型肝炎であった.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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