肝臓
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骨髄異形成症候群に起因する続発性ヘモクロマトーシスに合併した肝細胞癌の1切除例
中川 圭鈴木 正徳海野 倫明遠藤 公人片寄 友松野 正紀
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2000 年 41 巻 12 号 p. 823-828

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抄録

著者らは骨髄異形成症候群 (myelodysplastic syndrome: MDS) による続発性造血性ヘモクロマトーシス (erythropoietic hemochromatosis) を基礎疾患とした肝細胞癌の1切除例を経験した.
症例は平成元年より肝機能異常・貧血を指摘され, 平成9年肝硬変・糖尿病の診断. 平成10年胆嚢摘出術の術前精査で骨髄異形成症候群 (MDS-RA (reactory anemia) 型) の診断を受け, 平成12年経過観察中にS5, 8境界領域の高-中分化型肝細胞癌を認め手術施行した. 術後のペルシアンブルー染色でKupffer細胞が強く染色されるとともに肝細胞に鉄顆粒が認められ, 本症例が続発性ヘモクロマトーシスであることを示唆していた. MDSでは無効造血で鉄が余剰となるため合併症として本症のごときヘモクロマトーシスを発生しうる. 本症例はヘモクロマトーシスに肝癌を併発し切除されたもので, 本邦報告例としてはきわめて稀な症例である.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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