肝臓
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難治性C型慢性肝炎に対するTwo-step interferon rebound therapyの有用性について
加藤 道夫結城 暢一伊与田 賢也杉安 保宣津田 南都子岡 成光小森 真人清水 健吾西村 善也道田 知樹金子 晃山本 佳司黒沢 和平池田 昌弘益澤 学林 紀夫
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キーワード: 難治性C型慢性肝炎
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2000 年 41 巻 6 号 p. 396-402

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抄録

インターフェロン治療難治例と考えられる1b型高ウイルスC型慢性肝炎に対するTwo-step interferon rebound therapy (TIRT) の有用性を検討した. TIRTとは1st step IFN投与終了後のHCV-RNA量のrebound上昇後の急低下 (原則として1Meq/ml未満) 時期に2nd step IFNを開始する治療法 (急低下が認められない症例ではそのまま経過観察) である. 今回, 1st step IFNとしてIFN-β3MU1日2回投与1カ月間連投あるいはIFN-β3MU1日2回投与1カ月間連投後natural IFN-α10MU2週間連投, 2nd step IFNとしてIFN-β3MU1日2回投与1カ月間連投後natural IFN-α10MU14~16週間週3回投与とし, 総投与期間を保険適応内の6カ月間とした. IFN終了後6カ月目のHCV-RNA陰性化率は全対象および2nd step IFN 1Meq/ml未満開始例でそれぞれ20.0%, 60.0%と従来の成績に比し高率であり, TIRTの難治性C型慢性肝炎に対する有用性が確認された.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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