肝臓
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初回IFN治療著効後に急性肝炎を発症しIFN再治療を行ったC型肝炎の1例
小野 雅美成田 竜一阿部 慎太郎田原 章成大槻 眞
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2001 年 42 巻 3 号 p. 138-143

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抄録

症例は50歳の女性. 夫がC型肝炎. 1997年4月肝機能異常にて入院. HCV抗体低力価陽性でC型急性肝炎と考えられた. HCV-RNAは一旦陰性化したが1カ月後に再陽性化し肝機能異常にて再入院. HCV抗体高力価陽性で慢性化が疑われ, インターフェロン (IFN) 治療を受けHCV-RNAは持続陰性化した. 10カ月後の1999年1月再び肝機能異常を来しHCV-RNAは再陽性化した. IFNの再投与が行われHCV-RNAは持続陰性化し, 現在までALT値正常で経過している. 本例は初回IFN治療にて著効が得られたが, 10カ月目にHCV-RNAの再陽性化と急性肝炎様の肝機能異常を来した. HCVの再感染が疑われたが持続感染からの増悪か, 断定は困難であった. IFN治療後のC型肝炎の診療上注意を要すると考えられ報告する.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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