B型肝炎ウイルス (HBV) 感染症でのHBV増殖動態や治療効果のマーカーとして用いられるHBV DNA量測定方法の統一化を目的とし, 100倍希釈検体を用いたHBVモニター法の確立と評価を行った. B型慢性肝疾患患者血清91検体を用い100倍希釈と未希釈でのHBV DNA量を比較した結果, 良好な相関 (r=0.957, p<0.01) が得られた. また, bDNA法, TMA法との比較においても良好な相関 (bDNA: r=0.926, p<0.01, TMA: r=0.978, P<0.01) を示し高値から低値まで連続的な直線性が得られた. 希釈を併用したHBVモニター法により2.6~9.6logコピー/mlの範囲で測定が可能となり, 本法のみでのHBV DNAモニタリングの可能性が示唆された.