2003 年 44 巻 4 号 p. 157-175
第15回全国原発性肝癌追跡調査において, 全国791施設から集計された18,843例の新規症例 (1998年~1999年) と, 18,405例の追跡症例を解析した. 新規症例については肝細胞癌が約95%, 肝内胆管癌が3.3%であり, 疫学的, 臨床病理学的事項, 診断, 治療に関する194項目を集計した. さらに第10回から第15回追跡調査の新規登録症例について組織型別, 背景因子別, 治療法別の生存率を算出した. 肝細胞癌については腫瘍径, 腫瘍個数, 臨床病期別に肝切除, エタノール注入療法, 肝動脈塞栓療法の生存率を検討した. 本追跡調査が肝癌の研究, 診療の進歩に役立つものと期待する.