抄録
症例は65歳の男性. 肝S8肝門部の肝細胞癌に対しTAE後に経皮的ラジオ波焼灼治療 (PRFA) を施行したところ肝梗塞を合併. その後敗血症性ショックにより再梗塞を惹起. さらに胆管胸腔瘻が形成され胆汁性胸膜炎を来した. 胆管内圧の減圧を目的に内視鏡的胆管ドレナージを施行し, 瘻孔閉塞に成功したが長期間の入院加療が必要となった. 以前よりラジオ波焼灼による脈管障害は軽微と報告されているが, 時として本症例のように重大な合併症を引き起こす可能性がある. 特に脈管損傷を来しやすい肝門部に位置する肝細胞癌に対し本法を施行するに当たっては, 患者に対する術前の十分な説明と術後の注意深い経過観察が必要である. PRFAにより肝梗塞を合併し, その後胆管胸腔瘻から胆汁性胸膜炎に至った肝細胞癌の1例を経験したので報告した.