抄録
未滅菌ウメほ場土壌を用いて,高地温の持続期間が白紋羽病菌の死滅に及ぼす影響を調べた。地温 35°Cが24時間中12時間持続する条件では,培養枝,罹病根中の白紋羽病菌は4日で死滅し,32°Cの土壌中では培養枝中の白紋羽病菌は7日間で死滅した。和歌山県南部に位置する日高郡みなべ町の緩傾斜ウメほ場で7月下旬から約2か月間,3×3 mのビニルマルチによる太陽熱土壌消毒を2006年から2008年に3回行った。マルチ中央部では地表下 80 cm,中央から 110 cm地点以内では地表下 60 cmまで殺菌効果が得られた。しかし,縁部の殺菌効果は劣った。殺菌効果の得られた部位では,ほとんどの場合 32°C以上の地温が7日以上連続して出現し,殺菌効果のなかった部位ではこの条件は出現しなかった。これらの結果から,今回の試験ほ場と同等の夏期の気象条件を示す地域では,太陽熱土壌消毒をウメ白紋羽病罹病樹の改植時における跡地消毒に利用できると考えられた。また,処理期間中の地温の積算時間により防除効果を推定できることが示唆された。