2017 年 59 巻 p. 21-26
茶園におけるチャトゲコナジラミ幼虫の密度調査法を検討した。2013年の密度上昇期に静岡県内の現地茶園50圃場において各圃場からすそ葉100枚を採取して,これらに寄生する本種の幼虫数を数えた。真の幼虫密度と脱皮殻を含めた見かけ上の幼虫密度との間にはR2=0.98~0.99 の高い相関関係が認められたので,脱皮殻を含めた幼虫数を幼虫密度として取り扱った。幼虫密度と存在頻度率(寄生葉率)との関係は河野・杉野式(1958)によく合致し,両者間に有意な相関関係が認められた。得られた回帰式により,発生程度基準値の設定を想定した数段階の密度に対応する寄生葉率を算出した。圃場ごとの平均密度と平均込み合い度との関には有意な正の相関関係が認められ,直線回帰式より基本集合度α=8.56,および密度-集合度係数β=1.66 が得られた。これらの値からIwao and Kuno(1968)に従って平均密度と目標精度Dを満たすために必要な標本数との関係を算出した。その結果,D=0.3 の場合,葉当たり0.67頭以上では50枚,0.33頭以上では100枚,0.16頭以上では200枚の調査葉数により目標精度が確保される。