2020 年 62 巻 p. 107-112
太陽熱土壌消毒によるネギ黒腐菌核病菌(Sclerotium cepivorum Berkeley)菌核の死滅条件を検討した。現地圃場では,連続した高い土壌温度(日平均 30°C以上で6週間以上)での緑肥鋤き込みによる太陽熱土壌消毒で,石灰窒素の有無に関わらず,有意に生存菌核が減少し,より高い土壌含水率において効果が向上した。この慣行の太陽熱土壌消毒の各種条件の効果を検証するため,プラスチックボトル内で模擬的に評価した。すなわち,現地で慣行的に行われる土壌への石灰窒素を添加した緑肥鋤き込みと,処理された土壌空間の一時的な湛水をボトル内で再現し,36°C(14L/10D,40/30°C),30°C(12L/12D,35/25°C)または 25°C(10L/14D,30/20°C)付近に設定したグロースチャンバーで実施した。その結果,36°C条件では緑肥混入の有無にかかわらず,2週間のインキュベーション後に生存菌核が検出されなくなった。一方,30°C条件では,緑肥混入をした場合のみ6週間のインキュベーション後に生存菌核が検出されなくなった。25°C条件では,緑肥混入をした場合でも6週間後まで生存菌核が検出された。以上の結果は,プラスチックボトル内での模擬的消毒方法が実際の太陽熱土壌消毒中の菌核の致死条件を再現できることを示している。