2025 年 67 巻 p. 54-58
植物上でボーベリアバシアーナ乳剤,水和剤の成分菌であるBeauveria bassiana GHA株の化学殺菌剤感受性を調査した。同菌株の分生胞子を,使用登録濃度とした40の化学殺菌剤と混和して,切り取ったキュウリ葉に接種して1週間培養後の同菌株のcolony forming unit(cfu)数を接種直後と比較した。その結果,多くの多作用点活性阻害剤とステロール生合成阻害剤がcfuを減少させた。ベノミル,アミスルブロム,フルアジナム,カスガマイシン,フルジオキソニル,フェンキサミド,ポリオキシン複合体,マンジプロパミド,ホセチル,シモキサニル,ピリオフェノン,フルチアニルも同菌株のcfu,すなわち生残菌数を減少させた。有機栽培に適合している炭酸水素カリウム,ナトリウムでも同菌株の菌数が減少した。これらの殺菌剤については,ボーベリアバシアーナ剤と混用した場合には,効果を阻害する可能性があるため注意を要する。