関西病虫害研究会報
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早期栽培のニカメイチユウ防除時期
西野 操高木 信一
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1958 年 1 巻 p. 74-78

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抄録

(1) 西南暖地の水田生産力増強のために取り入れられた, 水稲の早期栽培 (8月下旬穫り) のニカメイチユウ防除のため, パラチオン剤の散布時期及び散布回数について, 1954年に実施した圃場試験の結果を報告する.
(2) 供試薬剤はパラチオン乳剤1500倍液を (A), (B), の時期は10アール当り108l, (C), (D) の時期は144lを散布した. 散布時期の基本として(A)6月17日,(B) 6月28日,(C) 7月7日,(D)7月19日の4つの時期をそれぞれ, 1回散布区, 2回散布区, 3回散布区の組合せに依つて, 13区4連制で試験した.
(3) 1回散布区では(B)の時期が最も効果があり, 2回散布区では,(B)の時期を含む区が効果があり, 3回散布区は被害茎の減少には充分効果があるが期待した程増収効果は出なかつた.
(4) (D)の時期の減収は稲の生育ステージからいつて穂孕期にあたり薬剤散布,調査等のための踏込みと云う要因により減収したものと考えられた.
(5) 早取栽培 (8月下旬穫り) のニカメイチユウ防除にはパラチオン乳剤1500倍液を10アール当り108lを, ニカメイチユウの発生量の多い場合には, Aの時期とBの時期2回の散布, 少い場合にはBの時期の1回散布で充分防除出来る.

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