抄録
西遠地方におけるドウガネブイブイの成虫による食餌植物の種類を明確にする目的をもって, 食餌植物の比較的多く植栽されている被害地の神社の森や, 種苗園における被害植物の調査と成虫の採集を行なった.
1) ドウガネブイブイの食餌植物として, 15科28種の植物が認められた. 被害の大きいものは果樹類ではクリ, ウメ, カキ, ブドウで, その他, イヌマキ, アメリカスズカケノキ, ネムノキ, ヌルデ, アキグミ, コナラの被害も顕著であった.
2)食餌植物の種類を湯浅・遠藤7)らの報告と比較すれば, 当地方における被害の比較的顕著な植物として, バッコヤナギ, カシワ, エノキ, ツルウメモドキ, ヌルデ, ヤマブキ, サンザシ, オオムラサキ, イノコズチ, サルトリイバラが新たに付加される.
3) 従来, キリ, キリシマツツジ, ウンシュウミカン, ビワ, アジサイ, クス, アラカシ, ハンノキ, ヤマモモ等は被害植物として報告されているが, 本調査区では, 当然被害を受けると思われる場所にありながら被害はみられなかった.
4)大発生すれば成虫は生垣のイヌマキ, 庭園のカキ, クリ等に集中して顕著な被害がみられた. また, その様な時に適当な食餌植物がなければ, これまで全く被害の報告のなかった庭園のマツやモミジにも飛来集中して, 多少の食害が行なわれた. 成虫による植物の被害は環境によりて, 大きく影響されることが推察された.