関西病虫害研究会報
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ベニフキノメイガの生態
山田 偉雄
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1979 年 21 巻 p. 8-11

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抄録

ベニフキノメイガの発育と温度および日長との関係について調査を行なった.
1. 幼虫は4令を経過し, 23℃恒温条件下においては約2週間で蠕化した.
2. 卵, 幼虫および蜻期の発育零点は, それぞれ10.9, 12.7および12.9℃と推定された. 発育有効積算温量は, それぞれ51, 156および89日度となり, 産卵から成虫羽化に至るまでの発育零点はほぼ12℃で, 発育有効積算温量は約295日度と算出された. 成虫の産卵前期間における発育有効積算温量は約328日度と推定された.
3. 幼虫は, 短日条件によって4令期に休眠した. 休眠誘起の臨界日長は13~14時間であった.
4. 雌雄成虫の寿命は, 23℃条件下でともに10日前後, 産卵数は1雌当り約180卵で, 羽化の5日後に産卵のピークがみられた.
5. 本種は, 東海地方では, 1年に3~4世代を経過していることが推定された.

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