塩類水溶液の木材火災に対する延焼阻止効果を実験的に調べた。間接散布では,水も薬剤水溶液も1回の散布では阻止効果はなかった。しかし炭化した表面を持つ領域に散布すると,散布液は多量に保持され大きな阻止効果を発揮した。薬剤には,燐酸アンモニウムと界面活性剤の組み合わせが最良であった。水溶液中の水の阻止効果は,散布領域中に多量の入射熱がある間は水の蒸発によるものである事,火勢が弱くなると塩類独自の効果が発現するものである事を確認した。実戦的には消火後もしばらく散布を継続して,薬液を充分表面に保持させる事が効果的である。
(オンラインのみ掲載)